実績って大事なの?イラストレーターになるその前に。

著者:川本まる

実績って大事なの?イラストレーターになるその前に。

イラストレーターになりたいけれど、アピールできるような実績がない…。
私も以前はそう思っていました。

 

まだイラストレーターでない人の考える、イラストレーターになるために必要な
3つの幻のうちの一つですね。

 

「実績」 「画力」 「コネ」 この3つです。

 

現在何とかイラストレーターと自称してもいいかな、程度には
お仕事を頂けている身分になってつくづく思うんですが、

 

 

実績は必ずしも必要ないと思います。

 

 

少なくとも私はこれがないことが足枷になったとは感じませんでした。

 

お客様がお仕事の相手を選ぼうとするとき、有名な○○社でレギュラー仕事を
しているからとか、既に何冊も本を出しているからとか、
そんなことを最重要視しているようには感じません。
(それを重要視している人々と私が単に出会わないだけかもしれませんけど…)

 

イラストレーターになりたいと考えたその時点で、実績がないのは当たり前ですね。
だけどお客様に見つけてもらうためには紙であれオンラインであれ
「ポートフォリオ」を用意しなければいけません。

 

これは自分の力をアピールするために、過去の作品を集めたものののことです。

 

イラストレーターになりたいけど、まだ実績がないという場合には
「本当に仕事を受けたつもりで」作品を描いてポートフォリオに載せれば大丈夫です。

 

例えば私が実際にやったのは、手元にある雑誌の記事を選んで、
それに添えるカットを本当に頼まれたつもりで描くということをしました。

 

これはお題が無限にあるようなものなので、何を描いたらいいいのかわからない
ということがありません。むしろどれを描こうか悩むくらいです。

 

大切なのは「仕事のつもりで」描くことです。
趣味で好きなものを描いた絵はなかなか評価されない可能性があります。
なぜなら将来お客様になってくれる人は、自分のつくっている媒体に「使える」絵を
描いてくれる人を探しているので、たまたま趣味嗜好が合致しない限り
使えるとは思ってもらえないかもしれないのです。

 

(すごく植物が好きで草花ばかり描いているという人なら、
園芸雑誌にアピールすれば採用してもらえるかもしれません。
ただしそういう場合でも「雑誌に載せやすそうなサイズのカット」を描いて
ポートフォリオに載せることが大切だと思います)

 

学校で描いた絵、これも微妙です。
数多くの絵を載せたい気持ちはすごく理解出来るのですが、学生気分で描いたものは

むしろマイナスに働く可能性すらあります。
就職用のポートフォリオとは違うので、学生さんなら学校の課題とは別に、

「仕事を取るぞ!」という商売人の気持ちで描いたものを用意するべきです。

 

とにかく大切なのは、
お客様にとって「使える絵」が描けますよとアピールすること。

 

まだ仕事を受けた実績がなくても「使える絵」がちゃんとポートフォリオに

載っていれば、そのことで壁を感じることはないはず。

 

私が初めて書籍のカットをやらせてもらった時には「これで実績が増えたぞ!」と

思いましたが、だからといってその後すごく仕事が増えるということはありませんでした。

私の思っていた実績が幻だったことがよくわかった出来事です。

 

むしろ、例の「頼まれたつもりで描いた」最初期の習作イラストを見てくださった方が、

とてつもなく大きいお仕事をくださったこともあります。

 

イラストレーターになるために、実績は必ずしも重要ではありません。
実績に代わる「使える絵」を自分で作ればOKです。

 

 

 

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