イラストレーターがペンネームで口座を作ったら

著者:川本まる

イラストレーターがペンネームで口座を作ったら

私は2018年の4月に、ゆうちょ銀行で「口座名義がペンネーム(屋号)のみ」の口座を開設しました。その方法と、注意すべき点、メリットとデメリットを紹介します。

 

 

◇屋号のみで口座が作れるのはゆうちょ銀行だけ?

 

 

2019年11月現在、「屋号(ペンネーム)のみ」で口座が開設できるのはどうやらゆうちょ銀行のみのようです。他に「楽天銀行」でも個人事業主が屋号付きの口座を開設できるのですが、こちらは「屋号+本名」などにする必要があり、屋号のみは認められないようです。

 

 

◇ゆうちょ銀行で口座を開設する手順

 

 

①最寄りの郵便局へ行き、「振替口座」の加入申込書を入手してください。局員の方に声をかけると奥からとって来てくれます(払い出し用紙などと一緒に誰でも取れるような場所には置いていません)

 

②用紙に必要事項を記入します。(記入方法は後述)

 

③必要なアイテムを持参して最寄りの郵便局へ行きます(どの郵便局でもOK)

 

持っていくもの

 

・印鑑(本名のもの)

・開業届の控えなど、本名と屋号を結びつける証明になるもの

・身分証明証(運転免許証など)

・その他、その屋号で活動していることを証明するもの(HPのプリントアウトなど)

 

④受理されたら貯金事務センターから郵送で通知を受け取ります

 

⑤完了!

 

 

◇振替口座加入申込書の記載方法

 

 

①住所を記載します。この時、住所の最後に「本名の苗字・方」の記載が必要です。

 

これがないと貯金事務センターからの受理通知が返送されてしまい、改めて郵便局に行って「振替口座の住所変更」手続きを行わなくてはならなくなります。※もしくは自宅郵便受けにペンネームもでかでかと掲示していればOKかも…。

 

②日中連絡のつく電話番号を記載します。

 

③本名を書きます

 

④生年月日を書きます

 

⑤一人で活動しているイラストレーターなら記載なしでOK

 

⑥ペンネーム(屋号)を記載します。

 

⑦チェックを入れます。

 

⑧お金の出し入れを行う希望の郵便局を書きます(ゆうちょダイレクトに申し込まない限り、振替口座は一つの局でしかお金の出し入れができません)手続きを行った局以外を書いても大丈夫です。

 

⑨ゆうちょダイレクトの申込を同時に行う場合はこちらにチェックしてください。

 私は後日落ち着いてから手続きしましたが、結局必要になるので同時の方がいいと思います。

 

⑩本名の印鑑を押します

 

 

◇無事に口座を作った!しかし意外な落とし穴が…。

 

 

ようやくゆうちょ銀行でペンネームのみの口座を開設しましたが、結論から言うと「仕事用の振込をこの口座のみに絞ることはできなかった」のです。

 

まず、私の利用しているクラウドソーシングサービスのランサーズさん」が、本名以外の口座では報酬の受取ができませんでした。

次に老舗イラスト仲介業者のシュガーさん」がゆうちょ銀行には報酬の入金不可ということが判明しました。

こうしてお取引のある2つの業者さまで、この口座は使えなかったのです。

 

この事実に気づいたのは、すでに口座を開設した後のこと…。

 

 

◇そのほかのデメリット

 

 

・特定の郵便局でしかお金の受け取りができない

(ゆうちょダイレクトへ申し込めば解決できます)

 

・通帳が作れない

 

 

◇果たしてメリットはあったのか?

 

 

はっきり言うと、多くのお客様に対して「お振込時にペンネームが表示されることによる安心感」をご提供できた…かな…くらいしかメリットがありませんでした。

 

お仕事のお金の流れをこの口座のみに絞れなくなった時点で、経理上のメリットは相当崩れましたし…。

結構苦労して開設したけど、ここまでの労力をかけてまで開設する必要はなかったと言うのが私の感想です。

 

楽天銀行さんで「屋号+本名」が一番賢かったかも知れません。

 

 

検索してこの記事を見に来てくださった方は、おそらく開業したてのイラストレーターの方かと思いますが、上記のように使用できないお客様がいらっしゃることも加味してご検討されることをおすすめします。

 

この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。

 

 

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